変わらないために変わり続ける
はじめまして。
ソラノイロ代表の宮崎千尋です。ソラノイロは 「まだ見ぬお客様と業界の発展のために」 をスローガンにしています。
まず、ソラノイロは2011年に麹町でオープンしました。
その当時は、二郎インスパイア、濃厚魚介つけ麺が全盛だったのですが、「女性が一人でも気軽に入れるラーメン店」というコンセプトのもと、麺、スープ、トッピングに全てに野菜を使用した「ベジソバ」を開発し、業界に一石を投じました。
「ベジソバ」はどのように誕生したかというと、二つのきっかけがあります。
一つは、都内のホテルで提供された人参100%ジュースを飲んだ時に、「これはラーメンにならないか?」とふと思ったことです。
もう一つは、今では当たり前に都内や駅構内で見ますが、ジューススタンドに女性のお客様が行列をしている光景を見て、これは女性が求めている!と感じたのです。
その二つのきっかけで、2014年には、フランスパリでパリラーメンウィークに参加したことをきっかけに、「ヴィーガンベジソバ」をグランドメニューに追加し、ベジタリアンのお客様にも召し上がっていただけることになりました。
同年11月にミシュランガイド東京2015のミシュランビブグルマンに掲載されました。(2016、2017年にも連続掲載されました。)
翌2015年には、島根の農家さんから玄米麺を仕入れ、グルテンフリーラーメンを開発。小麦アレルギーやセリアック病のお客様にも召し上がっていただけることになりました。
このように、「まだ見ぬお客様と業界の発展のために」をスローガンにお店も着実に増やし、現在は五店舗運営しています。
その各店舗のメニューは、全てお店によって違います。一つのラーメンを作り、多店舗展開すれば売上利益は最大化し、効率も楽かもしれませんが、僕はあえて選択しません。
ラーメンは和洋中折衷、各国の料理の技法を駆使した日本が誇る食文化の一つだと考えています。僕はラーメン屋である前に料理人でありたいとも思い、いわゆるお客様が思う「ラーメンとはこういうもの」という概念を覆したいと思っています。
僕が修行した一風堂の経営理念は「変わらないために変わり続けること」です。
僕もその理念を受け継ぎ、般若心経の色即是空空即是色、すなわち「変化し続ける、成長し続ける」会社を作りたいとの思いで、ソラノイロと名付けました。
ですから、店舗を増やす時も同じ味では勝負せず、食材の可能性を広げ、新しいラーメンを提案し続けてきました。
例えば、ソラノイロ本店のラーメンにはメンマは乗せていません。最初の3年間は乗せていましたが、2015年からはごぼうのバターソテーを乗せましたし、2019年3月からはレンコンのソテーを乗せています。その理由は、ラーメンに合うのは根菜の土臭さや、力強さだと僕は感じたからです。
チャーシューも色々なものを作りました、煮豚、オーブン焼き、低温調理、ここ数年は焼豚が1番豚のポテンシャルを引き出せて、肉としての旨味が引き出せると思い、焼豚を作っています。
僕が創業からやり続けていることがもう一つあります。それは限定ラーメンを季節ごとに作り続けていることです。
創業時はラーメンフリークに向けて、話題作りのために始めたのですが、今では、13年間で300種類にものぼり、ソラノイロの代名詞にもなっています。
限定ラーメンを開発することで日本全国の四季折々の食材をお客様に紹介できること、そしてラーメンには決して使うことのない、野菜やフルーツ、ハーブなどを使いながら、ラーメンの可能性を追求しています。
それらの食材を通して、生産者の方と繋がり、地方社会や地域貢献を行っていけていることもとても嬉しいです。
例えば、東日本大震災後の三陸地方のワカメをNPO法人の方を通して紹介していただき、8年間使い続けることで、一過性でない持続的な消費も実施できています。そのほかにも、地元では消費しきれず捨てていた徳島のすだちを使ってラーメンを作り、都内のラーメン仲間にもすだちを紹介していくことで地域社会を応援できていると思います。
このように僕の作るラーメンは型通りのものだけではなく、そこには一つ一つ信念があります。その信念も含めて味わって頂けると幸いです。
そういうラーメン作り、お店作りを続けることでラーメンや飲食業の可能性が広がり、ラーメン業界や、飲食業界がもっともっと盛り上がっていけばいいなとも思っています。
ラーメン屋ってカッコいい!飲食業界は夢がある!僕はそんな風に思っています。
僕がお店を運営することで、そんな一翼を担って行ければ幸いです。
ソラノイロ代表
宮崎 千尋